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西武・菊池雄星 3年連続の大舞台でさらなる進化を示す/開幕投手は任せろ

 

今季の開幕戦で辻監督(左)に初勝利をプレゼントした菊池


 自己最多の16勝をマークした今季、西武の“絶対的エース”の地位を確固たるものにした。最多勝、最優秀防御率(防御率1.97)のタイトルを獲得し、ベストナイン、ゴールデン・グラブ賞、最優秀バッテリー賞と、数々の賞も受賞。チームにとどまらず、球界を代表する投手へと飛躍した菊池雄星以外に、現時点でほかに開幕投手候補は見つからない。

 一昨年、昨年の2度の開幕戦の投球内容を見ても大役を任せるに十分値する。2016年、初の開幕投手に大抜擢された(対オリックス、西武プリンス)。それまで2ケタ勝利に届いたことがなかった成績、過緊張での乱調を懸念する声も少なくはなかったが、6回7安打2失点(自責点1)の粘投。自身に勝敗こそつかなかったが、チームの逆転サヨナラ勝利を呼び込んだ。

 2年連続となった今季開幕の日本ハム戦(札幌ドーム)では新エースとしての重責を背負った中、7回4安打1失点で勝利。求められた役割をきっちりと果たした。時に監督、コーチ、選手から「開幕戦といっても、143(試合)分の1」という言葉が聞かれるが、それはあくまで負けた場合の話。本心では、「開幕戦は勝ちたい」と思っていることは勝負師として当然だ。その意味でも、開幕戦無敗のエースの存在は何とも心強い。

 今季、チームは2013年以来となる2位に終わった。目指す高みはたった1つ、“優勝”しかない。来季へ向け、すでに「食事制限とトレーニングは始めている」という日本最高左腕。3年連続の大舞台から進化を示し、チームともどもスタートダッシュを成功させたい。

写真=BBM
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