週刊ベースボールONLINE

オーロラビジョン

楽天・則本昂大 新たな収穫を得て/開幕投手は任せろ

 

後半戦は駆け引き、ゲームメークできた実感があるという



 今季はWBCの影響を考慮され、プロ入り後初めて開幕投手を譲った則本昂大だったが、来季は開幕戦に照準を合わせる。今季も、「個人としては投げたい気持ちはある」と語っていたように、開幕戦に懸ける思いは決して小さくはない。

 充実の1年だった。自己最多タイの15勝に、自己最高の防御率2.57。前半戦には8試合連続2ケタ奪三振の日本記録も樹立。奪三振222個をマークし、野茂英雄以来となる4年連続の最多奪三振のタイトルも手にした。それでも「偉大な先輩方と比較をしていただけるのは光栄ですけど、奪三振は直接勝ちにつながるわけではないので、それ以外の数字をもっと伸ばしていきたい」と、決して満足感は見せなかった。

 新たな収穫も得たシーズンだった。「前半戦は勢いだけというか、押すだけのピッチング。後半戦は相手バッターや相手打線と駆け引きし、ゲームメークしながら投球ができたと思います。それをもっと磨いていければ、いい数字になっていくはずです」。後半戦、失速したチームとともに勝てない試合もあったが、ゲームをつくる安定感は前半戦を上回っていた。

 シーズン後はオーバーホールを経て秋季練習に合流したが、秋季キャンプは免除。疲労を癒やし、来季への準備に入っている。開幕投手は安定感抜群の岸、今季開幕投手を務めた美馬との三つ巴(どもえ)の争いだが、大本命は変わらない。誰もが認めるエースとして、来季もチームの先頭に立つ。

写真=井田新輔
オーロラビジョン

オーロラビジョン

週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング