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オリックス・金子千尋が福良淳一監督を男にする/開幕投手は任せろ

 

自身3年ぶりの2ケタを達成したエース・金子千尋は来季、監督を男にする決意を胸に腕を振る


 変わらぬ信頼の証だった。激しい競争が予想される来季の先発陣について、福良淳一監督は「金子(千尋)以外は競争ですね」ときっぱり。その言葉からは、エースへの期待が感じ取れた。

 開幕投手について、以前は「もらうものではなく、つかみとるもの」と話していた金子。チームの大黒柱として、3月30日のソフトバンクとの開幕戦(ヤフオクドーム)を目指し、調整を続けていく。

 今季は意地を見せたシーズンだった。2年連続6度目の開幕投手として迎えたが、1年を通して常に良い状態に恵まれたわけではなかった。4月から5月にかけては自身5連勝。3・4月の月間MVPも獲得したが、シーズン序盤から中5日登板を繰り返したため、夏場には休養を兼ねて登録を抹消されたこともあった。集中打を浴び大量失点を喫する“らしくない”試合も目立った。

 それでも弱音は一切吐かず、要所で相手を寄せ付けない完璧な投球も披露。最終的には12勝(8敗)まで白星を伸ばした。チームでは唯一で自身3年ぶりの2ケタ勝利到達は、金子なりの執念の表れのように見えた。

 2013年オフに4年総額20億円の大型契約を結んだが、来季はいよいよ最終年を迎える。最多勝など投手のタイトルを総なめにし、沢村賞を獲得した14年にはソフトバンクと優勝争いを演じたチームも、以降はBクラスに沈んでいる。

「来年は監督を胴上げできるようにしたい」

 自らを信じ、送り出してくれる指揮官を男にすべく、エースが燃えている。

写真=佐藤真一
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