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家族、自分、そしてチームのために戦い続けるオリックス・小谷野栄一/増した責任感

 

来季はチーム最年長の38歳になる小谷野だが「自分をベテランとは思っていない」ときっぱりと言う


 まだまだ、やらねばならぬ理由がある。今年8月に双子の次女と長男が誕生。家族が一気に5人になり、守るべき大切な存在が増えた。遠征の合間に母子と対面した小谷野栄一は、1人ずつを腕で抱えたといい「ますます頑張らないといけない」と決意を新たにしていた。

 プロ16年目の来季。一家の大黒柱として、懸命なプレーで大事な家族を笑顔にする。

“3度目の正直”だった。2014年オフにFAで日本ハムから移籍し、オリックスと3年契約を結んだ。1、2年目は開幕スタメンを飾ったものの、ともにケガで途中離脱。出場は60試合にも満たず、オリックスに来てからは悔しさが募る一方だった。

 迎えた契約最終年の今季。「いろんな覚悟を決めないといけない年。進退も考えないと。1年でも長くやれるようにしたい」と自身の野球人生を懸けてシーズンに臨み、チーム2位となる130試合に出場、打率.277、6本塁打、47打点の好成績を残した。10年に打点王を獲得した勝負強さを武器に、一時は四番にも座るなど、チームに欠かせない存在として1年間戦い抜いた。

 来季はチーム最年長の38歳になるが「自分をベテランとは思っていない。毎日必死です」と練習では若手に負けじと汗を流す。

「家族の存在は励みになるし、一生懸命野球をしている姿を見せたいですよね」とわが子にとって、いつまでも“かっこいいパパ”でいることが目標だ。

 家族のため、自分のため、そしてチームのために――。背番号31は戦い続ける。

写真=湯浅芳昭
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