後半戦の大健闘で、周囲の畠世周を見る目は大きく変わった。昨年のドラフト2位で入団した右腕は、来季はシーズンを通してのフル回転を期待されている。
ドラフト指名後に右ヒジのクリーニング手術を受け、春季キャンプは三軍スタート。長いリハビリを経て、7月19日の
中日戦(ナゴヤドーム)でプロ初勝利を挙げた。すると後半戦は先発ローテーションの一角を担い、13試合の登板で6勝4敗、防御率2.99と巻き返しを図るチームを支えた。
1年目から終盤戦のCS争いを経験。しかし、9月30日の
阪神戦(東京ドーム)では、
上本博紀への頭部死球で危険球退場。翌10月1日の同カードで救援登板したが、3回2失点と悔しさを味わった。とはいえこれらの失敗も「新人ながら、終盤の緊張感がある場面で投げさせていただいた」と、成長の糧にすることを誓っている。
11月の宮崎秋季キャンプでは一度もブルペンに入らず肩を休ませた。
木村龍治投手兼トレーニングコーチから内転筋の強化をテーマに課され、さらに体幹強化にも勤しんだ。オフは今季、沢村賞を獲得したエース・菅野智之のハワイ合同自主トレに同行する。「私生活の部分もしっかり見たい。先発ローテで1年間投げるために、食事とかだけでなく、寝る前にこうしているとか、聞いたり見たりしてまねしていきたい」と、積極的にエースから学ぶつもりだ。
菅野、
田口麗斗らとの若き先発陣でチームの未来を託される畠。2年目のジンクスにぶつかっているヒマはない。
写真=BBM