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オリックス・安達了一が“スキのない野球”の体現者となる/記録への挑戦

 

通算200犠打まで残り30となった安達。来季はフル出場を誓う


 コツコツ積み上げてきた成果が、記録となって表れようとしている。

 通算200犠打。本塁打のように華やかなわけではないが、それでも命懸けでプレーする安達了一にとっては大事な数字だ。福良淳一監督の掲げる「スキのない野球」を体現するために、犠打は必要不可欠。残り30本に迫った“大台”達成に向けて、7年目のシーズンを迎える。

 ここ2年かなえられなかった目標がある。それは全143試合、遊撃を守り抜くこと。2016年1月に潰瘍性大腸炎を発症した。毎日の体調がその日の朝まで分からないことが多く「付き合い方は分かってはきたけど、いつ体調が悪くなるか分からない怖さはある」と話す。

 ナイター明けのデーゲームや、移動ゲームなど休養が少ない状態での試合では、欠場することも何度かあった。今季も体調が優れず3度の登録抹消。9月末には病が再燃し約1週間の入院生活を送った。

 それでも言い訳にするつもりはない。「何を言っても仕方ない。体を休めるときはしっかり休めたい」と、来季こそという思いは強い。二遊間の強化がチームの課題ではあるが、指揮官も「安達が普通にやってくれたらベスト」と背番号3の復活が一番の補強だと話した。

「遊撃を固定できるとチームは強くなる。周りの人は難しいんじゃないかと言うけど、1年間フルに出続けて同じ病気の人の励みになりたい」

 そう語る安達の目は決意に満ちあふれていた。記録にも記憶にも残る活躍で、30歳の節目のシーズンを飾る。

写真=石井愛子
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