新たなチーム像を創造する。栗山英樹監督はゼロベースから、チームの立て直しを図る。「まったくの白紙」と全選手が横一線と強調する。日本一連覇を狙った2017年はリーグ5位に終わった。オフに入るとＦＡ宣言した増井がオリックスへ、大野は中日へ移籍。大谷はポスティングシステムを利用してエンゼルスへの移籍が決定した。

　新シーズンはエース＆主軸、守護神、正捕手……が抜けた状態で船出する。根幹となる主力を総入れ替えしながら、勝てる集団を再構築するには「年齢や1年目だととかは関係ない」。戦力を見つめ直し、適材適所も再考する。根本から生まれ変わる形を模索するのが、このオフの間の指揮官に課せられた最重要課題だ。

　その中ですでに構想の一端を明かしているのが打線だ。「打順の考え方も、もう1回考え直したほうがいいかもしれないと思っている」。打順の概念を変えたいと、極論と前置きした上で「四番（を任される選手）を一番に入れたほうが回りやすいのかな」など、さまざまな方策を練っている。

　周囲と同じやり方では、突き抜けたチームは作り上げられない。巻き返すには想像を超えたチーム作りが必要。「いろんなことを考えなきゃ絶対に勝てない」。これまでも前例にとらわれず、野球界に新たな価値観を提供してきた。
　
　就任7年目の長期政権を迎える指揮官は、二刀流に代表される見たこともない潮流を、再び生み出そうと闘志を燃やす。

写真＝BBM