高橋由伸監督は「常勝軍団の復活」と、「世代交代」という大きな使命を背負い、3年契約最終年に当たる2018年シーズンの指揮を執る。17年はオフに獲得したFA3選手の故障による出遅れや不調もあり、前半戦に球団史上ワーストを更新する13連敗を記録。定位置奪取に至る若手もおらず、ベテランの起用を増やした後半戦は踏ん張ったものの、11年ぶりのBクラスとなる4位に沈んだ。若き指揮官は、いよいよ現状の改革に迫られている。
18年に向けて光明はある。レギュラーシーズン最終戦だった10月3日の
ヤクルト戦(神宮)は、若手中心のラインアップで勝利をつかんだ。中継ぎがメーンだった2年目の
中川皓太を先発させ、野手ではドラフト1位ルーキーの
吉川尚輝が3安打、2年目の
山本泰寛が決勝の満塁本塁打を放つなど、ファンに希望を持たせた。
10月のオーナー報告で、高橋監督は「若手の底上げは来季(18年)の課題というよりもここ数年の課題でもある。投手は若い選手も出てきている。野手を1人でも2人でも育てなくてはいけない」と、特に野手陣の若返りの必要性を口にした。
球団は17年終了後、シーズン終盤の3戦連発など打線を支えた36歳の
村田修一を自由契約とするなど世代交代の準備を進める。来季4年目の
岡本和真、後半戦に打力で頭角を現した
宇佐見真吾ら、若い野手に新たに若い背番号を与えて期待を示した。過渡期を乗り越えながらも結果を求められる18年。新たな風を吹き込み、4年ぶりのリーグ王座奪回を狙う。
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