3年契約最終年の指揮を執る
高橋由伸監督は「常勝軍団の復活(4年ぶりのV奪回と日本一)」と、「世代交代」という大きな使命を背負う。2つの課題は緊密な関係にあり、カギを握るのがプロ2年目を迎える吉川尚輝だ。
ルーキーイヤーの昨季も二塁のレギュラー候補と大きな期待を受けていたが、新人合同自主トレ中に上半身のコンディション不良で別メニュー調整を余儀なくされると、春季キャンプは三軍スタートで大きく出遅れてしまった。
5月9日に一軍に初昇格し、同17日のヤクルト戦(東京ドーム)で初スタメンも経験したが、すぐに二軍へ逆戻り。その二軍では103試合に出場して経験を積むも、C.
マギーの二塁起用もあって一軍ではわずか5試合の出場にとどまっている。周囲の期待を裏切る形となり、「今年は何も貢献できませんでした」と反省の1年に……。
しかし、新シーズンへ向けた光明もあった。チーム最終戦の10月3日のヤクルト戦(神宮)ではプロ初安打を含む3安打1盗塁で才能の片鱗をうかがわせると、ペナントレース終了後に参戦した台湾ウィン
ターリーグでは、19試合に出場し再三の好守を見せるなど守備面で手応えをつかんでいる。50メートル5秒7の俊足も魅力で打線のアクセントにも。高橋監督も「守備の動きはいいですし、打つほうでも楽しみなバッター」とあらためて期待をかける。
中京学院大の先輩に当たる
広島・
菊池涼介をほうふつさせるプレーは、二遊間でコンビを組んだ
坂本勇人も絶賛するところで「レギュラーを絶対にとらないといけない選手」と高く評価。1月はその坂本勇に弟子入りし、合同自主トレを行う予定で、「自分はすべてにレベルアップしなければいけないので、学べるところをすべて学びたい」と貪欲だ。
昨季後半戦はC.マギーが二塁を守ったが、これは緊急措置。悔しい1年と収穫のオフを経た吉川尚が「二番・二塁」を勝ち取る可能性は十分にある。
写真=BBM