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日本ハム 松本剛 つかんだ自分の居場所/二番打者の矜持

 

プロ6年目は飛躍の1年となった松本。レギュラー死守に向けての戦いがまた始まる


 「やりがいを、たくさん感じられた打順でした」。2017年シーズン、日本ハムで最も多く二番で起用されたのが6年目の松本剛だった。開幕前は故障もあり、二軍スタート。4月下旬に昇格すると打撃が開花。結果的に88試合で二番に名前が書き込まれた。難しいとされる役回りで勉強しながら課題を克服していく楽しさに充実感があった。

 タイプは王道だ。楽天が二番にペゲーロを起用して開幕ダッシュに成功。一番の次に強打者を置くことが、日本球界の新たなトレンドになりつつある中で松本が目指すのは「前後のバッターに見合う二番」になることだ。つなぎ役も、ポイントゲッターも何でもこなせる選手を理想に掲げる。

 昨年は西川と大谷に挟まれることが多かった。「相手投手からしたら、僕が一番気を抜ける打者。だからこそ何とかストレスを与えようと思った」。状況に応じて何ができるか。それは何番で起用されても同じことだが、上位を打つ打者ならばその結果がチームの得点力にも大きく直結する。

 多く打席が回る打者に求められる深い観察眼の上に成り立つ思考と実行力。こんなところも松本が二番バッターの魅力に取りつかれた1つの要因だろう。「凡打した内容も、いい打者とは差を感じた」と振り返ったように、かけがえのない貴重な経験値も蓄積された。 

 2018年シーズン、チーム内の陣容を見ていればポジションは決して安泰ではない。それでも二番の座は誰にも渡さない。

写真=BBM
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