週刊ベースボールONLINE

オーロラビジョン

ヤクルト・寺島成輝投手 速球の質と絶対的な変化球を求めて/飛躍の1年を誓う

 

真っすぐ、変化球ともに上のレベルを求める


 2年目左腕・寺島成輝には、嫌でも大きな期待がかかる。昨季は、9月30日の中日戦(神宮)でプロ初登板初先発。4回途中5安打5失点と洗礼を浴びたが、黒星はつかず、“持っている”ことを証明した。高卒1年目で一軍の舞台を経験。「初勝利もそうですが、今季は一軍にずっといたい。いい意味で、二軍に落ちないという意地を張りたいです」と明確な目標が生まれた。昨秋からは「直球のキレ」を求め、腕を磨く。

 2017年ドラフト1位。直球は140キロ前後だが、指にかかったときのスピン量は抜群で、空振りを取れる魅力的なボールには明るい将来が見える。昨年11月には、台湾で行われたウィンター・リーグに参加。8試合で1勝1セーブ、防御率1.17とイースタン選抜の初優勝に大きく貢献し、「少しずつ自分の感覚が良くなり、最後のほうは腕の振りやキレも出て、真っすぐで押し込めました」と言った。

 収穫があった一方で、課題も見えた。「やっぱりスピードが足りていない。絶対的な変化球がないので、自分の中では打ち取るときにすべて使っている気がします。真っすぐが良くなって、絶対的な変化球があって、球を散らせたら、余裕を持って打ち取れる」と高い理想を口にした。初めてのオフは、アメリカ・アリゾナ州で自主トレを行い、自身の体のメカニクスを頭にたたき込んだ。球団関係者が「今季は先発ローテに入ってもらわないといけない」と口をそろえる逸材。ストレートの質を追い求め、未来へのきっかけをつかむ。

写真=椛本結城
オーロラビジョン

オーロラビジョン

週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング