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日本ハム 矢野謙次「欠かせない代打の切り札」/チャンスを任せろ!

 

勝負強い打撃はまだまだ健在。2018年シーズンもこの男の存在は欠かせない


 勝負を決める一振りは今シーズンも矢野謙次に託されそうだ。昨年の得点圏打率.259。突出した数字ではないが、その中で10打点を挙げた。チャンスで打席が回った回数は30打席であり、チーム内でトップクラスの勝負強さを見せた近藤が得点圏に走者を置いた際の打点は25。単純計算ではあるが、確実に得点を生み出す確率が高いのはこの男だ。
 
 目に見えない勝負強さの源は日頃からの準備の賜物だ。誰よりも先にグラウンドで体を動かし始める。若手に比べれば肉体的なレベルは年々落ちるのは仕方がない。入念に体を整え、しっかりと練習に打ち込むことでカバー。ベンチでは誰よりも試合に入り込み、気持ちを高める。打席に立つときは心技体がみなぎる状況を逆算することができるからこそ頼りになる。

 今シーズンはチーム最年長選手となった。卓越した野球観、面倒見のよい人間性から慕う若手選手も多い。練習姿勢は多くの選手のお手本にもなっており、栗山監督からも絶大の信頼を寄せられる。野球だけではない謙虚で真摯な人柄は、プレッシャーのかかる場面で大きな結果を引き寄せる1つの要因とも言えるだろう。

 昨年の7月26日のロッテ戦(帯広)では代打で逆転適時打を放って球団の北海道移転後1000勝をもたらした。お立ち台でさけぶ「ファイターズ、サイコー!!」は、もはや北海道の風物詩。2018年シーズンも、頼れる背番号37がおなじみのフレーズを何度も響かせてくれるはずだ。

写真=BBM
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