若手には務まらない仕事がある。今季もチームの窮地で、亀井善行の勝負強さが光るはずだ。
昨季は開幕前に
高橋由伸監督から「今年(2017年)は代打でいく」と通達され、「いいところで打つのが今年1年の仕事」と覚悟を決めた。例年故障がちだったが、ケガなく1年間を戦い抜き、シーズン途中からは左翼でのスタメンの機会も増えた。109試合に出場して打率.251、6本塁打、47打点、得点圏打率はチーム最高(得点圏打数10以上)の.382をマーク。6月18日の交流戦
ロッテ戦では延長12回に劇的なサヨナラ3ランを放つなど、存在感は際立っていた。
昨季、11年ぶりのBクラスとなる4位に沈んだチームは、目下若返りの真っ最中。「(球団が)若手に切り替えているのは当然僕らも分かっている」とチーム内における自らの立場の変化も感じ取っている。だが、優勝するためにはベテランの力も欠かせない。勝負所で“必殺仕事人”となることを心に決めている。
今年1月は「寒いと何をしても体ができてないと、ここ近年思っていた。暖かいところでやりたかった」とサイパンで
脇谷亮太、
石川慎吾と自主トレを行った。
中日から昨季の本塁打王のA.
ゲレーロが加入し、そもそもの出場機会を巡る争いも激化する。「1打席をムダにしない。いい場面でしっかり印象に残る一打を増やしたい。困った時に『亀井、いこう』と言ってもらえるようにしたい」と決意を新たにした。代打の切り札としてチームを救うため、刃を研ぐ。
写真=BBM