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西武・浅村栄斗 優勝を渇望する思いの果てに/リーダーの決意

 

順調にキャンプを過ごしている浅村


 昨季、キャプテンの大役を全うし、2期目を迎えた浅村栄斗は、ますます頼もしさが増している。キャプテン就任以前は年齢的な若さなどもあり、勝利に貢献するために自分が結果を残すことに全力を傾けてきた。

 だが、昨年から変わった。折に触れ、報道陣からも「主将として」と、チームについてのコメントを求められる機会が増えたこともある。そのほかの日常的な発言の際でも、チーム全体を見渡した上での話が数多く浅村の口から聞かれるようになった。

 5年以上レギュラーとして試合に出続けている上、ここ数年は常にクリーンアップの一角を務め、打線を支える立場となった。自らが試合に出始めたころ、中島宏之(現オリックス)、栗山巧から「思い切りやっていい」と声をかけられ、それが支えになったが、自然と同じ言葉を若手にアドバイスとして送り、後輩たちが実力を発揮しやすい環境を作り出している。

 そこには、尊敬する先輩たちから代々受け継がれた西武の伝統を守る意味もあるが、もう1つ「若い選手が出てこないと、チームは勝てない」と、“優勝”を渇望する思いが込められているのである。

 昨季、チームは4年ぶりに2位となった。だが、CSはファーストステージで敗退して、悔しさだけが残った。日本一に輝いたソフトバンクとの差を認める一方で、「打力では、ウチのほうが勝っていると思っています」と、堂々と胸を張る。個性派がそろう強力打線をけん引し、自身のプロ10年目の節目の年を最高の形で飾ってみせる。

写真=大泉謙也
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