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広島・野村祐輔 にじむ責任感/リーダーの決意

 

開幕投手を視野に入れる野村



 まさに投手陣の柱としての自覚だった。野村祐輔がキャンプインを目前にした宮崎・日南で、こう言った。「(一軍キャンプの)日本人投手では最年長になったので、先輩として引っ張っていけたらいいと思う」。まだ28歳ながら、リーダーとしての思いにあふれていた。

 ジョンソン、薮田和樹らとともに初の開幕投手の候補に挙がる。それでも緒方孝市監督は「3月のオープン戦も含め、みんなで争った中で決めたい」と競争を強調。野村ももちろん分かっている。首脳陣やチームメートからの信頼を、揺るぎないものにするつもりだ。

 昨年は大事なカード初戦を主に託され、25試合で9勝5敗。2年連続の2ケタ勝利を逃し、155回1/3の投球イニングも満足していない。

「まだまだ。1試合平均でもっと長いイニングを投げられるように。任せてもらえる投手にならないといけない」

 リーグ3連覇へのカギを問われると「今までの以上に1人ひとりのプラスアルファ。去年のままでは勝つのは難しい。周りはカープを倒しにくる」と言った。自身だけでなく、チーム全体を見渡した発言だった。ここにも主戦としての気持ちが見え隠れする。

 母校・明大の大先輩で、同じ岡山出身の星野仙一氏が1月4日に急逝した。球場で会えば激励の声をかけてもらった。「自分が頑張っている姿を見守っていただきたい。(打者に)気持ちでしっかり向かっていけたらいい」。闘魂を継承し、堂々たるマウンドさばきで周囲を引っ張っていく。

写真=BBM
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