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ロッテ・安田尚憲 開幕スタメンも夢物語ではない/スタートダッシュを決める

 

黄金ルーキーの名に違わぬ存在感を見せる安田


 ドラフト1位の安田尚憲が着々と評価を上げている。初めての石垣島春季キャンプ。初実戦となった紅白戦から「四番・三塁」で起用されると、デビュー戦となった10日の紅白戦でいきなりマルチ安打をマークした。

「初めてにしては上出来」と自身も納得のスタートとなり、周囲からも称賛の声が相次ぐ。井口資仁新監督が「一番雰囲気があった」と話せば、金森栄治打撃コーチは「四番でもそん色ない。ほかに誰がいるの?」と18歳に主砲としての期待を懸けたほどだった。

 履正社高で高校通算65発。外れ1位ながら3球団が競合した逸材だ。ロッテは和製大砲の不在が近年の課題。昨季、日本人選手のチーム最多本塁打が鈴木の11本というのはあまりに寂しい数字と言える。球団では1986年の落合博満を最後に出ていない本塁打王を目標に掲げて始まった安田のプロ野球人生は、順調に滑り出した。

 打撃だけではない。三塁の守備練習ではチームの中心選手である鈴木大地の姿を追いかける。指揮官が「大地を見ることで“プロのレギュラーはこれくらいのレベルなんだ”ということが分かれば、目標設定をしやすいだろう」という意図で施している「英才教育」により、日々、多くのことを吸収している。

 オープン戦もプロの投手の球に慣れるため実戦機会を多く与えられる方針。「1年目から戦力になって、日本一を目指したい」と話す高卒ルーキーの開幕スタメンも、決して夢物語ではない。

写真=高塩 隆
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