今オフ、
巨人へFA移籍した
野上亮磨が担っていた「シーズン通して先発ローテーションを守る」「2ケタ勝利」の役割を誰が果たすのかが、今季の
西武の大きな注目点となっている。
その筆頭候補の1人が、野上の人的補償でチームの一員となった高木勇人だ。巨人での3シーズンで年間通しての先発起用は1年目のみ。2、3年目は中継ぎ登板が主だった。しかし、
辻発彦監督は早々に「先発ローテーション入りしてもらいたい」と明言。昨季活躍した
平井克典、
野田昇吾らの台頭、
高橋朋己の完全復帰などもあり、「中継ぎが安定してきた。そこにウチの打線だったら5、6回まで投げてくれれば、十分試合は作れる」と大きな期待を寄せる。
宮崎・南郷キャンプでも、早速評価を上げた。第1クールからブルペンでは武器である
シュート、カットボールに首脳陣から賛辞の声が挙がると、2月17日に行われた今季初の紅白戦では先発。2回3失点と振るわなかったが、初回に
森友哉、
秋山翔吾から三振を奪った。さらに24日、
ロッテとの練習試合では7回から登板し、2回を無安打無失点、2奪三振。テンポのいいピッチングが光った。3月1日、
オリックスとの練習試合では先発して3回6安打3失点と今ひとつの内容だったが、「次はしっかり投げたい」と前を向く。
キャンプではシート打撃も含め、対戦した打者には自ら積極的に感想を聞きに行き、打席での球の見え方、変化の様子、球威などを確認。課題のあぶり出しと、その修正を繰り返しながら開幕先発ローテ入りへ向け、熱心に調整を続けていく姿が印象的だった。
すでにチームメートたちと打ち解け、野球に専念できる環境もすべて整った。
「とにかく、必要とされているところで投げて、全力でやっていきたい」
新天地でチームの力となるべく燃えている。
写真=大泉謙也