満を持して初タイトルを狙う。昨年オフの契約更改後の記者会見。自信に満ちあふれた言葉で「首位打者を目指したい」と宣言した。誰も大風呂敷を広げたとは思わない。エンゼルスの
大谷翔平も「近藤さんは天才」と評した打撃センスは別次元。普通に1年間プレーできれば結果は自ずと付いてくる。
昨季は57試合出場で打率.413をマーク。6月末に受けた腰のヘルニア手術がなければ、どんな数字を残していただろう。プロ野球ファンに日本球界初の4割打者誕生を現実味ある夢として提供したことは間違いない。術後も変わらぬ技術はオフの鍛錬を経て、さらなる進化の兆しも見える。
トップの位置が始動からほぼ一定。重心を左半身に乗せてじっとボールが手元に来るまで待てる。打つべきボールを見極め、バット操作にも長けているから体勢を崩されてもヒットゾーンに打球を運べる。打たされるのではなく、自分のスイングで仕掛けられるところが技術が高いとされる一因。コンディションもいいからこそ技術の成熟度も高まるのは必至だ。
首位打者に輝くためのノルマを「3割5分」と設定。この数字すらも控えめな数字と思ってしまうのもこの男だからだ。栗山監督も「コンちゃんは打線から欠かせない」と春季キャンプ中からレギュラー当確を口にした。
体の不安を取り除いて万全の状態で挑む2018年シーズン。記録的な数字を残してのタイトル奪取に燃える。
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