一歩ずつ、復活への階段を上がっている
復活の先に、見据えるものがある。
小川泰弘が、昨年手術した右ヒジの疲労骨折からの復活に向け、二軍で汗を流している。
小川はルーキーイヤーの2013年に16勝(4敗)を挙げ、勝率.800で最多勝と勝率第一位のタイトルを獲得。圧倒的な数字で新人王も手にした。そんな燕のエースが目指すのは、最優秀防御率のタイトルだ。「(故障明けで)大きなことは言えないけど、防御率はこだわりたいところがあるから。(タイトルを)獲れたらすごいことだと思う」と、どん欲に高みを目指していく。
昨年は多くの経験をした。開幕は先発で迎えるも、5月に左内腹斜筋の肉離れを発症。一軍に復帰後に回ってきた役目は、抑えだった。「最初はどうしたらいいのかな、というのはあった」。
そんな苦しい時期に支えとなったのは自主トレをともにし、今季、10年ぶりに
巨人に復帰した上原からのエールだった。「打ち込まれた後とかに連絡をして、『大丈夫か?』と励ましてもらった。少ない球種を磨いて、その精度で勝負したほうがいいとか、ためになる話をしてもらった」と、その言葉を自身の励みにした。
昨年は巨人の菅野が防御率1.59と圧倒的な数字で獲得。「球も速いし、変化球も多いし、体も強い。でも負けないように頑張りたい」と気合十分だ。いまはまだ復活へ道半ばだが、「ヒジの感じは悪くない。トレーニングをして、状態を上げられるように」と小川。暗く苦しい時期を乗り越えた先に、必ずや光はある。
写真=川口洋邦