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ソフトバンク・上林誠知 活躍を見せたい人がいる/今季はひと味違います

 

4月4日の西武戦(メットライフ)ではヘッドスライディングで内野安打をもぎ取るなど、気迫がみなぎる上林


 指揮官と球団会長という2人の期待に応えるためにも、昨季とはひと味もふた味も違う活躍を見せる。3月25日の広島戦(マツダ広島)。4試合連続で「二番・右翼」で起用された上林誠知が、オープン戦最終戦を3打数無安打で終えた。オープン戦の打率は.261となり、初の開幕スタメンをつかんだ昨季をなんとか上回ったが本塁打はゼロ。オープン戦チーム1号や横浜スタジアムで推定140メートルの看板直撃弾を放った昨年の開幕前よりインパクトに欠けたが、シーズンでは大爆発しなければいけない理由がある。

 昨季は初の規定打席にも到達し、今春は侍ジャパンの強化試合でもフル代表入りを果たした。だが工藤公康監督は、キャンプイン直前から捕手、二塁、そして上林が守る右翼を「レギュラー空白区」と強調。「結果を残した選手を使う」とたびたび発言し、上林をあえて刺激した。オープン戦では圧倒的な数字こそ残せなかったが、指揮官は「非常にいいアピールをしてくれた」と評価した。

 もう1人、気にかけてくれたのが王貞治球団会長だ。オープン戦で調子が上がらない中、3月後半の本拠地では連日のように直接指導を受けた。近年ではグラウンドに出てくることも少なかった王会長に、時には上林が三振を喫した際の写真が掲載されたスポーツ紙を片手に熱の入った指導も受け、打撃のチェックポイントが直筆で記されたメモも受け取った。「ありがたいし、期待にもっと応えたい」。2人の思いに、結果で応える。

写真=湯浅芳昭
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