まだ代名詞である本塁打も飛び出していない中村
開幕から13試合を終えた時点で11勝2敗、2位・
ロッテに3.5ゲーム差の首位と好スタートを切った
西武。打線も絶好調で得点72、打率.276はともに12球団一。
秋山翔吾、
源田壮亮、
浅村栄斗、
山川穂高、
外崎修汰と若手、中堅のバットが連日猛威を振るう中、打率.119と波に乗り切れなのが
中村剛也だ。
一昨年、昨年と不本意な成績が続いた。「もう一度、レギュラーを取れるよう再出発という気持ちでやる」と自ら重圧をかけ、今季に挑んだ。一昨年、右ヒザにケガを抱えながら試合に出続けたが激痛への恐怖心から、昨季は右足への負担を軽減する打撃フォームへと改良を試みた。だが、これが裏目に。結果的「楽をしていた」ため、本来の打撃ができなかった。
それを猛省し、今年は自主トレ時から意識的に右足に負荷をかけ、徹底的に振り込んだ。また、“定位置確保”をかなえるためにも、キャンプでは、別メニューで75分間にもわたる内野特守をやり遂げるなど、気力とコンディションの充実ぶりをアピールした。
だが、それが成果として表れない。開幕から12試合、先発オーダーには主に「六番・三塁」に中村の名前が並んだが、4月14日の
楽天戦(楽天生命パーク)では、“休養”の意味合いもあり、スタメン落ち。言葉にも表情にも多くは出さないが抱える悔しさは相当だ。
シンプルに「勝ちたい」「打ちたい」。その裏には「誰よりも」という思いが詰まる。現在、打線は好調だが、チームが10年ぶりの優勝を遂げるために、いずれ中村の打棒が必要になるだろう。“おかわりパワー”全開となる時を待ちたい。
写真=BBM