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ヤクルト・廣岡大志内野手 野球ノートに残る成長の軌跡/今季はひと味違います

 

開幕スタメンで満足するわけにはいかない


 最下位からの逆襲へ、廣岡大志が輝きを放っている。昨季、チームは川端や畠山ら主力に故障者が続出。球団ワースト記録の96敗を喫した。若手の台頭が望まれたが、廣岡は11試合で打率.250、0本塁打、1打点。期待に応えられず、プロ2年目のシーズンを終了した。

 昨秋の愛媛・松山キャンプでは、宮出打撃コーチ指導の下、力んでバットが体から離れぬよう、ネットに近づいて素振りをする日々を送った。「監督も代わってアピールできると思う。一軍に定着できるように。レギュラーを取れるように」と全体練習後に室内練習場で、黙々とバットを振る姿がそこにはあった。

 守備面では宮本ヘッドコーチから「止まって捕る癖がある。足を運んで入るように。あとグラブを出すのが遅い」とアドバイスを受けた。多くを学び、それを野球ノートに記した。メモを取り始めたのは、奈良・智弁学園高時代。努力家の廣岡はプロに入ってもペンを走らせている。箇条書きだけでなく、図解も入れることで、見やすくするのが“廣岡流”だ。

 努力の秋が過ぎ、春には才能が開花。今春のキャンプ中も練習後の振り込みを続け、オープン戦では16試合で打率.208、2本塁打も、11打点は山田哲とともにチームトップだ。宮本コーチも「うまくなりたいという気持ちが強い」と目を細める。開幕一軍、スタメンは自身初。「開幕一軍の次はレギュラー」と、20歳の若武者が遊撃の定位置奪取を目指す。

写真=川口洋邦
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