遅咲きの和製大砲がチームの中心を担うシーズンを迎えた。今季から選手会長の肩書も加わり「今まで以上に責任を持ってやっていかないといけない」といつになく引き締まっていた。
プロ12年目、今年で30歳になる。2007年高校生ドラフト3巡目で
中日に入団した。高校通算49本塁打の打撃には定評があったが、なかなか芽が出なかった。
15年から一軍に定着するようになり、昨季はキャリアハイの95試合に出場して18本塁打と竜の主砲を名乗れる成績に近づいてきたと言える。
「感覚が分かってきました。あとは爆発するだけです」。今季への決意を自信に満ちあふれたように語っていた。12年目で初めて開幕スタメンをつかむと、3月31日の
広島戦(マツダ広島)で今季1号アーチを架けた。2回にジョンソンの外角高めの初球をバックスクリーンへ。チーム1号の一発に「打てるボールは積極的にいこうと思ってました。一発でとらえられて良かった」とうなずいた。
オフにはナゴヤ球場で出待ちするファンに「神対応」する。最後尾のファンまでサインや写真撮影に応じる。チーム関係者が「チームへの愛着もあるし、選手会長という肩書もそうさせるのかも」と周囲から評価される人間だ。
「外国人ばかりに頼ってはいけない」。こんな言葉を発することができるのもグラウンド内外でチームを引っ張る自覚が芽生えているからこそ。福田の打棒が今季の竜を占いそうだ。
写真=BBM