マウンドでは表情をほとんど変えずに淡々と打者に向かう。15日の中日戦でプロデビュー3連勝を飾った
これ以上ないスタートを切ったと言えるだろう。
DeNAの2年目右腕の
京山将弥が4月1日の
ヤクルト戦(横浜)に先発でプロ初登し、5回1失点で記念すべき白星を手にした。さらに8日は敵地マツダ
広島でセ・リーグ王者の広島打線相手に6回途中まで零封、15日の中日戦(横浜)も6回途中1失点で一軍デビューから球団史上初の3戦3勝と快進撃を続けている。
まだ19歳。当初は二軍で経験を積ませるチーム方針だったが、
今永昇太、
ウィーランド、、
浜口遥大と昨季の2ケタ勝利3人が故障で間に合わない非常事態で、開幕直前の抜てきだった。初登板は3戦目。11年ぶりの本拠地開幕カードで連敗発進し、重苦しい雰囲気に包まれ「内心はすごく緊張していました」と振り返るが、ポーカーフェースの右腕は立ち上がりから安定した制球で回を重ねた。
オープン戦でスコアラー陣の目についたであろうカットボールを、1巡目は封印。2巡目から多用した
嶺井博希のリードに応えて
山田哲人のポテンヒットによる1点に抑えた。
田中広輔、
丸佳浩、
松山竜平ら左打者がカギとなる広島戦はチェンジアップを軸にして冷静に間合いを外した。赤一色に染まるビジターの応援に「多少威圧される部分はありました」と言いながらも、強心臓の光る2戦となった。
ウィーランドや今永は順調に二軍戦でイニング数を伸ばしているが、
ラミレス監督は「今、先発で投げている投手が良いので、考えて決めたい」と即復帰の明言を避けた。それほどのインパクトを19歳が残している。
写真=榎本郁也