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広島・薮田和樹 金本知憲のとりこになった少年時代/地元愛を胸に

 

昨季のタイトルホルダー・薮田は課題を克服できるか


 言葉を話す前からカープファンだった。薮田和樹は生粋の広島県民。幼少期は旧市民球場から自転車で10分のところに住んでいた。母親に連れられ、1歳から兄とともに観戦に通った。自分で球場通いを始めてからは、当時の主砲だった、金本知憲阪神監督のとりこになった。

 岡山理大付高で右ヒジの疲労骨折に見舞われ、亜大では遅咲き。3年春のリーグ戦でいきなり151キロを計測し、周囲を驚かせた。4年春のリーグ戦前に右肩を痛め、秋も登板できず。大学4年間では3年春のリーグ戦2試合、同春の全日本大学選手権1試合が全キャリア。それでも地元球団にドラフト2位で指名された。「小さなころからの夢がかなった」。雑草右腕のプロ人生の始まりだった。

 3年目の昨シーズンは敗戦処理からのスタートだった。それでも先発のチャンスをつかみ、15勝3敗で勝率第一位投手のタイトルを受賞。リーグ2連覇に貢献した。

 今季は開幕先発ローテを任されながら、制球難を克服できず。2試合先発して10回1/3で、15四死球を与えた。不安定な内容に、中継ぎへの配置転換を命じられた。

 リリーフ2戦目となった4月17日のヤクルト戦(呉)では、4回途中からマウンドへ。満塁のピンチを背負うなど4安打されたが、無失点で粘って今季2勝目を手にした。しかし22日の中日戦(ナゴヤドーム)では13球を投じ、ストライクは1球しか入らずに打者3人に連続四球。苦しいピッチングが続く。

「まだ今は目先の結果じゃなく、自信を持って腕が振れるようにしたい」

 地元ファンを笑顔にするため、どんな役割でも全力を注ぐ。

写真=BBM
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