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中日・武山真吾 強くなって帰ってきた地元原産捕手/地元愛を胸に

 

一軍昇格も出場のなかった武山


 名古屋に本拠地を置く球団とあって地元出身者は多い。その中の1人が名古屋市緑区出身のプロ16年目・武山真吾だ。享栄高出身でチームの後輩には大島、近藤がいる。近藤投手コーチも同校の先輩だ。

 甲子園出場はないが、思い出深い出来事がある。高校3年夏の愛知大会だった。「ベスト16か8で愛知高校と対戦した時、4打数4安打で。後から聞いた話ですが、それでプロのスカウトが指名を決めたそうです」。人生の分岐点となった。しかし、2002年のドラフト会議で地元・中日ではなく横浜から10巡目で指名された。

 12年に西武、14年に中日と、3球団目で地元球団に加入した。武山にとってはプラスに働いたという。「地元は知り合いも多いし、若い時にこの環境でやっていたら違っていたかも。ゆかりのない環境で1人でやったからこそ、修行になった」。高卒で中日に入団していたら、周囲からもてはやされて野球としっかり向き合えていなかったかもしれない。遠回りしたからこそ、息の長い選手生活を送れているのだろう。

 4月13日に今季初めて出場選手登録された。日本ハムから加入した大野奨をはじめ、松井雅、木下拓らライバルは多く、19日に一軍出場のないまま抹消された。「焦りもあるし、落ち着いている部分もある。中途半端な感じ。でも気長にやりたい」と武山。昨季も試合に出始めたのは6月だった。捕手陣では経験値の多いベテランだけに、チームに必要になる時が必ず来るはずだ。

写真=BBM
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