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広島・緒方孝市監督 相次ぐ中心選手の負傷と不調。求められる指揮官の決断力/春の収穫or誤算

 

セ・リーグ2連覇中の緒方監督の采配に注目が集まる


 昨シーズンはチーム打率が12球団トップだった打線が、今年も開幕から活発だった。4月6日のDeNA戦(マツダ広島)では1回に逆転すると、中盤も着実に加点。突き放して7対3で6勝1敗の開幕ダッシュに成功した。四番定着が期待された鈴木誠也が下半身の張りで戦列を一時的に離れたが、勢いは衰えなかった。

 開幕から7試合続けて5得点以上。これは1985年の南海(8試合)、2008年のヤクルトに次いでプロ野球史上3度目のことだった。この試合後、緒方孝市監督は「1打席もムダにしない姿勢が全員に見える。引っ張ってくれているのが一番から三番」と田中広輔菊池涼介丸佳浩の上位打線をたたえた。

 その後も攻撃陣が期待どおりの働きをする一方で、先発投手はゲームメークできない試合が目立った。中でも誤算は薮田和樹。昨年15勝3敗で勝率第一位投手に輝き、今年もローテの軸と見込まれていた。だがオープン戦から懸念材料だった制球難が改善できず、開幕から2度の先発登板で計14与四球。中継ぎへの配置転換などで復調を図ったが、5月1日に二軍降格となった。

 また初の開幕投手を務めた野村も2連勝スタートを切ったが、続く13日の巨人戦(東京ドーム)では2年ぶりの8失点と炎上。27日には背中の張りで登録を抹消された。

 さらに28日の阪神戦(マツダ広島)の守備で右太もも裏を痛めた丸も翌日に戦線離脱。混戦模様のリーグを抜け出すためには、指揮官の戦力の見極めと、先発陣の踏ん張りが必要だろう。

写真=BBM
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