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ソフトバンク・今宮健太 「一番」からの降格。悔しさを胸に秘め復調のきっかけをつかむ/ここから巻き返す

 

5月9日の西武戦では九番に入るなど今後も打順は変動を見せそうだが、今宮は任された場所で自分の役割を果たしていく


 もやもやとした開幕1カ月を過ごし、ようやく光がつかめてきた。4月25日の西武戦(ヤフオクドーム)。今宮健太のバットに当たりが戻った。3回無死一塁で、チームが苦手とするカスティーヨの150キロの速球をとらえて左前打。6回一死満塁の好機では同じく速球を中前にはじき返した。「前よりは自分のスイングができるようになってきている。(状態を)上げていきたい」。マルチ安打は3月30日の開幕戦以来のことだった。

 オープン戦から一番に座った。ウイルス性胃腸炎で最後の数試合を欠場したものの、開幕には間に合わせた。ところが、バットの調子はいっこうに上がってこない。打率2割とくすぶって開幕8試合目、好調の本多雄一と入れ替わり二番に下がる。なおも好転の材料は見つからないと、ほどなく打順は八番まで下がり、打率は一時.125。休日に本拠地で打ち込んだ日もあった。そうしてたどりついたのが冒頭の西武戦の2本だった。

「狙っていく」と公言した一番。願望を隠さず、今季は手応えも感じ始めていたところだけに、悔しさは募る。「自分はまだまだ」。思いを胸にしまい、今は眼前の戦いに集中する。正遊撃手に立ち止まる暇などない。

 9連戦滑り出しの4月28日オリックス戦(京セラドーム)で二番に昇格。初回は西の甘いスライダーを左前打とし、1点を追う6回も中前打を放った。5月2日のロッテ戦(ZOZOマリン)では今季初の猛打賞もマークした。「西武戦から調子は悪くない。タイミングが取れて、自分のスイングができている」。口調にもらしさが戻りつつある。

写真=湯浅芳昭
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