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楽天・藤田一也内野手 天然芝の“変化”にも対応。内野のリーダーが示す存在感/守備職人のプライド

 

出場機会は限られるが、チームを支える一人であることに異論はない


 年齢を重ねても、真っ先にその名が挙がる。楽天で守備の人と言えば、名手・藤田一也だ。二塁手として3度のゴールデングラブ賞を獲得するなど、安定感のある守備でチームに落ち着きをもたらしてきた。本拠地の天然芝化など、内野守備には難しい条件が増える中でも、当たり前のように打球を処理しアウトを重ねている。

 今季、最も“らしさ”が見られたのは、4月15日の西武戦(楽天生命パーク)だった。4回、先頭の栗山が放った一、二塁間への打球を、天然芝エリアまで斜めに追って処理すると、回転して一塁へ送球。見事に刺してみせた。「最後のバウンドは土から天然芝に入ったところ。あれが(今季では)一番良かったと思います」と振り返った。

 地道な準備が好守へとつながっている。「天然芝と土だと、コンディションが変わる。雨や季節にもよるし、天気が良くても霜が降りていてスリップしたり……。その日その日の練習で、しっかりと確かめないと分からない。1試合終わったときの疲労感で、神経を使ってたんだなと思います」。打球の勢いが死なない人工芝なら深めに守備位置を取りたいが、浅い守備位置の中で、瞬間的な判断を繰り返している。

 今季は、銀次のポジションが変わるだけで、実質的には今江との併用。今江が好調ということもあり出場機会は限られるが、存在感は決して薄れていない。個人のプレーだけではなく、経験豊富な内野のリーダーとして、チームの土台を支えている。

写真=井沢雄一郎
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