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オリックス・安達了一の堅守を支えるシンプルな考え/守備職人のプライド

 

広い守備範囲と、柔らかなグラブさばきで、幾度も安打性の打球をアウトにしてきた


 その華麗な守備で、幾度もチームのピンチを救ってきた。

 安達了一の武器は強肩と高い瞬発力。広い守備範囲で、時には安打性の当たりを防ぐ。高い技術がプレーとして表れたのは、5月4日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)の3回だった。通算2000安打まで残り2本としていたソフトバンク・内川聖一が、三遊間に放った打球を好捕すると、素早いスローイングで遊撃ゴロに仕留めた。

 好守の影には、緻密な意識がある。守備について「一歩目を大事にしてます。(投手の)投球も見ながら。アマチュア時代は打撃ばかりでしたが、プロに入って強く意識するようになりました」と初動を大事にしていると話す。

 二遊間を組むルーキーの福田周平は「隣で守っていて思うのは、守備範囲が広いということです。何でそこにいるの? と思うプレーもあります」と証言する。広い守備範囲は、一歩目の意識が基になっているのだ。

 福良淳一監督が、キャンプの時点で「遊撃は安達に任せたい」と早々に明言したのは、高い守備力のみではない。安達は、遊撃手としてマウンドの投手への声かけも積極的に行う。「タイミングも考えながら、やるようにしています」。センターラインを担う選手会副会長は、プレー以外でのチームへの貢献度も高い。
 

 守備で考えることは、いたってシンプルだ。

「しっかりアウトにできる打球をアウトにすることです」

 安定した守備で、これからもチームを支えていく。

写真=佐藤真一
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