自身初となる首位打者獲得を目標に掲げ、ヒットを重ねる近藤
三番打者の活躍が交流戦を勝ち抜くためのカギを握っている。
近藤健介がどこまで打てるのか。夢の4割も現実の目標として見据えられるヒットメーカーだが、交流戦を前にして不振に陥った。起点は故障。4月末に右ふくらはぎを痛めて戦線離脱。約2週間後に一軍復帰したが、いまも状態は上がらない。
近藤の低調がチームの成績にも影響を与えている興味深いデータがある。5月15日から打線のラインアップに戻って以降の6試合で平均得点が1.7点。完封負けが3度もあった(5月30日現在)。好投手と対戦する試合も多かったが、突破口を見い出してきた三番の近藤が封じられると打線全体も手足が出ない。存在の大きさを実証する結果となっている。
交流戦では普段は対戦しない未知の投手と相対するケースも多い。それでも高打率をキープできる近藤は初対戦でも相手を攻略できる確かな技術がある。チャンスメークはもちろん、得点源にもなれる。選球眼も素晴らしく四球で出塁してかき回すこともできる。状況に流されず、自分を出せるからこそ復調が待ち遠しい。
DH制のないセ・リーグ本拠地での試合では外野を任されることになる。懸念はケガだけ。昨季も交流戦の守備中に腰を痛め、手術して長期離脱となった。もう二の舞いを踏みたくない。その上で早く本来の姿に戻れるか。近年、チームは得意の交流戦で弾みをつけてきただけに近藤の完全復調が今後を大きく左右しそうだ。
写真=BBM