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西武・菊池雄星 復帰したエースが再び快進撃の起爆剤となる!/交流戦のキーマン

 

復帰した6月1日の阪神戦(メットライフ)で見事に勝利を挙げた菊池


 開幕8連勝に始まり、3、4月を19勝5敗と、チームはスタートダッシュに成功した。エース・菊池雄星も5戦5勝。順調に勝ち星を重ねたが、その陰で若干の不安を感じざるを得なかったのが、その投球内容だった。4月13日楽天戦(楽天生命パーク)、20日ロッテ戦(メットライフ)と2試合連続5失点。さらに5月4日楽天戦(楽天生命パーク)で本塁打を2本浴び、5失点を喫して翌日、『左肩の機能低下』の診断とともに自ら一軍からの離脱を決意した。

 エース不在の影響は、やはり大きかった。多和田真三郎をはじめ、ほかの先発陣も変わらず奮闘は見せていたが、「雄星だから、1点さえ取れれば必ず勝てる」と思える、頼れる存在の有無は打撃陣のメンタルを少なからず左右する。序盤戦で大量得点を奪い続けてきた打線にも、さすがに疲労の色も現れた。決して状態が悪いわけではなかったが、早い回で先制されると、その失点が一層重くのしかかり、投打のバランスを欠いた。結果、菊池の離脱後、19試合で4連敗を含む7勝12敗と負け越している。

 菊池は交流戦2カード目、6月1日阪神戦(メットライフ)で戦列復帰。二軍では違和感の原因追究と、肩のリフレッシュ、さらなる強化などを試みた。「もう1回キャンプをやっているイメージ。戻るからには、100パーセントで帰らないと」と余念のない調整を行った。「戻ったら、チームを奮い立たせる投球ができればと思っています」と再びの快進撃の起爆剤になることを誓ったが、そのとおりのピッチングを見せた。

 猛虎打線を相手にピンチでギアを上げ、150キロ超えのストレートを連発。2回二死三塁のピンチでは江越大賀に対して自己最速に1キロと迫る157キロの剛球を投じて、三振に仕留めた。結局、6回無失点、9奪三振で復帰戦を飾って6勝目をマーク。「優勝しか考えていません」とお立ち台では、力強い言葉をファンに向かって届けた。

 交流戦はあと2試合、先発が予想されるが、しっかりチームを勝利へ導き、10年ぶりの歓喜へ向けて再加速させる。

写真=BBM
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