好調なチームの白星が増えるたびに、中崎翔太のセーブ数も積み上がっている。15セーブは
阪神・ドリスと並びリーグトップ(6月6日現在)。だが、「数字はまったく考えていない」と気に留めない。胴上げ投手の経験もある右腕は、重圧のかかる守護神を、堂々と務めている。四球などで走者を許す場面もあるが「最後は得点を許さなければ。それは今までと変わりない」とのポリシーでマウンドに上がっている。
昨シーズンは序盤に右腹部の違和感で戦列を離れ、抑えの座を譲る時期があった。スロースターター返上を目指してオフの調整を前倒ししたことも、ここまでの成績につながっているようだ。
このペースで結果を残せば、2度目のオールスターの可能性も十分。初出場した2年前は1試合に登板し、
西武・栗山に2ランを許しながらも記念のセーブを挙げた。「1回くらいは出たいと思っていた」と言い、今年の選出についても「自分で決められるわけじゃないけど、興味はあります」と控えめに意欲を語った。
畝投手コーチは今季の投球について「いい球を投げている。走者を出すこともあるが、毎回3人で抑えられるわけじゃないから」と信頼を置く。5月17日の
中日戦(ナゴヤドーム)では中7日の登板ながら1点リードを守り抜き、緒方監督から「間隔が空いた中で抑えてくれた」とたたえられた。「夏の熱い時期は嫌いじゃない」というタフネスは、きょうもブルペンでどっしりと控える。
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