立派なあごひげがトレードマークの助っ人が竜打線をけん引している。ドミニカ共和国出身のスイッチヒッター・アルモンテだ。6月10日時点でセ・リーグ2位タイの打率・333とハイアベレージを残す。初対戦の投手も苦にせず、日本の野球に対応できている。
交流戦に入ってやや調子を落としているが、交流戦開幕となった5月29日の
オリックス戦(ナゴヤドーム)では、5回、一死一塁で一時逆転の9号2ランを放り込んだ。「点を取られた後にすぐ取り返すことができてよかった。しっかり振り切ることもできたし、感触もよかったね」
要因は試合前練習のルーティンにあるようだ。ティー打撃で振るのは、長さ32インチ(81・2センチ)、重さ80オンス(約2300グラム)の黒い特製の金属バット。長さは一般的なものと同じだが、重さは多くの選手が使う900グラム前後の2倍以上ある。7年前、
ヤンキース傘下のマイナーチームでメジャーデビューを目指していた時、同じドミニカ共和国出身のロビンソン・カノ(現マリナーズ)から学んだ。「トレーニングにもなるし、腕の使い方を確認できる」。さまざまなプレーヤーの練習法を学び、メジャー屈指の強打者が用いる方法にたどり着いた。
ワイルドなひげとは対照的に、数字よりもチームの勝利に貢献するのが第一と考える献身的な男だ。「チームの勝ちに貢献したいね」。パワフルなスイングで竜打線の核に君臨するカリビアンの勢いは、球宴まで衰えそうにない。
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