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オリックス・伏見寅威 みんなのために放った劇的打/試合を決めたあのプレー

 

6月2日の巨人戦。延長12回二死からサヨナラ打を放った伏見は、お立ち台で歓喜の声を張り上げた


 人生初のサヨナラ打で、延長12回、4時間24分にわたった激闘に終止符を打った。

 6月2日、巨人との交流戦(京セラドーム)。2対2の延長12回二死二塁。ベンチに野手で最後まで残った伏見寅威が、後藤の代打で打席に立つと、カウント2―2から池田駿の内角直球をとらえた。

 打球は前進守備の左翼手頭上を越え、サヨナラ二塁打に。2012年6月3日から続く京セラドームでの巨人戦の連敗を9で止めた。

 お立ち台では「使ってくれた監督のためにもなんとか打ちたいと思っていました。最高に気持ち良かったです!」と声を張り上げた。

 総力戦を制した一打だ。オリックスは6投手をつぎ込み、最後の攻撃で勝負に出た。7番手・左腕の池田から、福田周平の右前打、安達了一の犠打で一死二塁。福良淳一監督は「もしかしたら(一塁が空いているので)歩かせるのかなと思って」と、左打ちも走力のある西野真弘を代打で送り出した。

 西野が遊ゴロに倒れると、登録野手“15番目の男”伏見を代打で起用。伏見は2球で追い込まれたが、「その後は冷静にいけた。打席に入る前に(打撃コーチの)下山(真二)さんが『外野が前に出ているぞ』と言ってくれたので、リラックスできました」と待望の一打を放った。

 緊迫した場面だったが、打席では「スタンド、ベンチを見て、みんな応援していて、みんなのために頑張りたいと思った」と伏見。強い気持ちを持った伏兵が、劇打でチームに応えた。

写真=佐藤真一
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