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ソフトバンク・今宮健太 誰もが思い出した、日本シリーズの伝説プレーが再び/試合を決めたあのプレー

 

現在は右ヒジの影響により離脱中の今宮。早期復帰が待たれる


 伝説のプレーが再現された。5月26日の楽天戦(ヤフオクドーム)。同点の5回二死二塁の場面だった。中村晃が二塁への緩いゴロを放つと、二走の今宮健太は全力でスタートを切り、三塁も回った。頭から本塁に飛び込み、クロスプレーの判定はセーフ。捕手のタッチをかいくぐり、左手でホームベースに触れていた。『神の手』アゲイン。お立ち台の今宮は「ヘッドスライディングをしただけです」と照れ笑いした。

 今宮の『神の手』は昨秋のDeNAとの日本シリーズの語り草となっている。ヤフオクドームでの第2戦。中村晃の右前打で二塁から本塁を狙ってヘッドスライディング。一度はアウトと判定されたが、リプレイ検証で覆り、決勝点をもぎ取った。名場面は地元ローカルCMで再現されたほど。オフにCM撮影に臨んだ今宮も何度も繰り返し「手の入り方が一番リアル」と自らチェックするなどこだわり抜いた作品に仕上げた。

 楽天戦では逆に梨田昌孝監督からリクエストを要求されたが、判定はそのまま。「(打者が)中村さんだったので(一塁へ)投げるだろうと。あのタイミングなら(本塁へいける)と」。想定どおり、二塁手の藤田一也は一塁送球を試みたがボールが手に付かず、本塁送球も遅れた。生還の裏には鋭い観察力があった。

 右ヒジ関節炎を発症し、今宮は5試合ぶりの先発出場だった。好走塁に加え、1試合4安打も記録。「これをきっかけにどんどん貢献したい」。今宮の『神の手』が勝敗を分けた。

写真=BBM
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