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西武・今井達也 岸にリベンジして光り輝く夏を!/夏男の季節

 

6月30日の楽天戦では岸に投げ負けた今井達也だが……


 2016年夏の甲子園を制した元高校球界のスターが、プロの世界で才能を開花させる時が来た。

 6月13日のヤクルト戦(メットライフ)。2年目で待望のプロ初マウンドに立った今井達也。味方のエラーも絡み、3回に1点を失ったが、6回を5安打、6奪三振、2四球、1失点と見事にまとめ、デビュー戦で初勝利を飾った。

 何よりも圧巻だったのがマウンド度胸。二軍首脳陣、スタッフや実際にバッテリーを組んだ捕手陣から「球そのものの質、メンタルの強さは、とんでもない」とポテンシャルの高さを絶賛されていたが、一軍でも評価はまったく変わらず。この試合でも初回から自慢の直球は151キロを計測。走者を出しても慌てずに自分の投球に専念し、ピンチを切り抜けていった。

 6回限りで降板も、本人は「まだ行けます」とアピールしたという点も含め、捕手の岡田雅利も「ホンマすごい。将来エースになるピッチャーなんやろうなと感じた」と賛辞を惜しまなかった。プロデビュー戦といえば、重圧から本来のプレーができない選手が多い中、「甲子園での決勝のほうが緊張しました」。経験してきた舞台が別格であることを、自らの立ち居振る舞いと結果で証明してみせた。

 だが、その後、2連敗。30日の楽天戦(メットライフ)では背番号11の前任者、岸孝之と投げ合ったが、5回1/3を6失点。辻発彦監督は「岸の投球がいい手本になっただろう」と奮起を促した。ローテどおりにいけば7月7日に再び投げ合うことになるが、そこでのリベンジを期待したい。

 ケガの連続、未成年喫煙発覚による約3カ月の謹慎処分など、プロ入り後は順風満帆ではなかったが、その間、フォーム固めに専念し、プロで戦える基礎を築いた。

「寒いより、暑いほうが力を出せます」

 次代のエースがより輝きを放つ熱い夏が、間もなく始まる。

写真=BBM
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