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西武・伊藤翔 二軍で積む先発経験。間違いなく遂げている進歩/ルーキー中間報告

 

二軍では先発として経験を積んでいる伊藤翔


「絶対にプロでやりたい」

 その思いの強さは入団時からほかの同期たちと一線を画していた。

 横芝敬愛高3年時、プロ志望届を提出したがドラフト会議で名前は呼ばれなかった。あきらめ切れないばかりではなく大学、社会人と4年、もしくは3年後の再挑戦を待ち切れず、「少しでも早くプロへ行くために」四国アイランドリーグplusを高卒後の進路に選択した。

 そして、見事に1年で夢を叶え、今季ドラフト3位でプロ入り。1年目からA班キャンプ帯同、開幕一軍入りを果たした。7月9日現在、一軍で中継ぎとして8試合投げ、12回を4奪三振、8失点(4自責点)、防御率3.00という成績を残したが、5月16日からはファームでブラッシュアップ中だ。

 降格以降、二軍戦では主に先発で起用され、6月28日のロッテ戦(西武第二)では7回6安打無失点の好投。昨年まで先発を務めてきたが、ファームとはいえ、プロの世界で初めて長い回を投げる機会を得て、あらためて「直球の精度がまだまだ甘い」と痛感した。

 ただ、その中で間違いなく進歩を遂げている。投げる際の下半身の体重移動など、基本的な部分を一から見直して改善できた。また、一軍での中継ぎ経験によって、先発時でも「10の力で投げたい場面で、10に近い状態で投げられるようになった」と緩急の幅が広がったという実感を得ている。

 研究の末、握りを変えた左打者を打ち取るためのツーシームにも手応え十分。「先発でも中継ぎでも」と19歳右腕。たどりついた夢の舞台で、チームのニーズに全力で応える。

写真=BBM
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