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巨人・阿部慎之助 勝負所でチームを救う39歳/いぶし銀の輝き

 

高橋由伸監督の信頼も厚い巨人阿部慎之助


「代打・阿部」のアナウンスが、クライマックスの到来を知らせる。阿部慎之助がネクストバッターズサークルからゆっくりと打席に向かうと、相手投手は縮み上がる。

「試合を左右する場面で使ってもらえている。それを意気に感じてやろうと思っている。チームの勝ちにつながる打点を挙げたい」

 主砲の後継者でもある岡本和真の成長により、“代打の切り札”を任された18年目の前半戦。故障以外で控えとなるのは初めての背番号10にとって、1打席勝負の代打稼業は想像以上に難しいものだったという。

 通算2037本目となる今季初安打が出たのは、開幕から1カ月後の4月29日のヤクルト戦(東京ドーム)、今季11打席目だった。2点を追う7回一死満塁、代打で右前へ同点2点打を放ち、逆転勝利に導いた。「心が折れそうになっていた」と苦しい時期を乗り越えた一打に大ベテランもホッと胸をなで下ろした。

 C.マギーの不調時や、交流戦の指名打者などで先発起用されることもあり、7月11日時点で49試合に出場(うち17試合に先発)し、打率.237、5本塁打、22打点。プロ野球19人目、球団では王貞治長嶋茂雄のON以来、史上3人目の通算400本塁打へも残り7本に迫る。高橋由伸監督も「スタメンでも、1打席勝負でもやってくれる力がある。やっぱり、ここぞというところの勝負強さはさすが」と絶大の信頼を置く。4年ぶりのリーグ優勝を願う39歳が、勝負所でチームを救う。

写真=BBM
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