週刊ベースボールONLINE

オーロラビジョン

ヤクルト・近藤一樹投手 一人ひとり、一球一球のための準備を/いぶし銀の輝き

 

思い切りの良い投球は、仲間への信頼があってこそ


 ベテランの力が、必要不可欠となっている。7月8日に35歳を迎えた近藤一樹は、いまや「勝利の方程式」の一角を担う大事な存在だ。7月15日現在で37試合に登板し1勝3敗1セーブ18ホールド、防御率2.97。交流戦で球団史上初の最高勝率に輝いたヤクルトの中心にいたのが近藤だった。

 まずは6月3日の楽天戦(楽天生命パーク)。8回一死一塁からマウンドに上がると、抑えの石山が4連投だったこともあり、9回もそのまま続投し今季初セーブを挙げた。代役を務め「どこで投げても一人ひとり、一球一球のために準備するのは変わらない」と右腕。“交流王”を決めた同17日の日本ハム戦(札幌ドーム)でも7回途中から登板し、1回2/3を無失点に抑えた。14試合連続無失点を記録し「万が一やられても、後ろ(の投手)とベンチがカバーしてくれる。一人ひとりが自分の仕事をすれば、勝利に近づく」。同19日のソフトバンク戦(神宮)で失点し敗戦投手となったが、右腕がチームを浮上に導いた。

 こだわりが好投を生む。「何事もオリジナルなものにしたい」と近藤。グラブの人さし指カバーは癖が出にくいように、付け根部分まで覆われている。ウェブには強い打球を止めるため、通常は通さない部分にもひもを通すなど“近藤仕様”の一品だ。

 普段は、なかなかスポットライトの当たらないリリーフ陣。だが、一試合ごとの積み重ねがチームの勝利につながる。今季、その中心に背番号70がいる。

写真=小山真司
オーロラビジョン

オーロラビジョン

週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング