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DeNA・桑原将志 バットと守備、足でも魅せる“サイクル男”/足で魅せる

 

20日の阪神戦(横浜)では、「僕の野球人生の中で一番うれしかったかもしれない」と言うサイクル安打の快挙。昨年は7月に月間MVPを受賞している“夏男”がいよいよ目を覚ました


 自力ではい上がり、見事に地位を取り戻した。DeNAのリードオフマン=桑原将志。多くのファンが、それを再確認したことだろう。7月は12試合で打率.489(20日時点)。5日の巨人戦(東京ドーム)で4安打と固め打ちすると、そこからの3試合で計7安打(2安打、2安打、3安打)と完全復調を遂げると、20日の阪神戦(横浜)ではプロ野球史上67人目となるサイクル安打を成し遂げた。昨年までの指定席だった「一番・中堅」を奪い返し、規定打席不足でも打率.298、6本塁打、14打点。

 特筆すべきは機動力だ。「数はもちろんですけど、成功率を大事にしている」と言い聞かせ、15企図で失敗は2度だけ。チームトップの14盗塁を記録しているルーキーの神里が失敗9だから、より高い集中力で貢献していることを示す数字だろう。

 レギュラーを確保した一昨年が19盗塁(失敗11)。昨年は失敗(11)が成功(10)を上回っていた。2月の沖縄・宜野湾キャンプでは上田佳範外野守備走塁コーチと帰塁のスピードを上げる練習を徹底。「スタートから0.8秒で戻る」と目安を設定し、体に覚え込ませた。帰塁のスピードアップを実現させたことで、より思い切ってスタートすることが可能に。これまでと比べ「肩幅の半分ぐらい」(桑原)とリードの幅も広がった。

「基本的には3球目までに走りたい。打線全体の流れとか、次の打者の配球や負担も考えていかないと」。控えに甘んじたシーズン序盤の姿はなく、昨季ゴールデングラブの中堅守備も失策ゼロ。背番号「1」にはやはり、スポットライトがよく似合う。
写真=高原由佳
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