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楽天・田中和基外野手 大谷打法で開眼のスイッチヒッターが掲げる「一日一善」の精神/2年目の明暗

 

打線の火つけ役として奮闘している


 飛躍の2年目となった。昨年のドラフト3位・田中和基は、5月下旬にスタメンに定着すると一気にブレーク。3拍子そろった活躍で、「一番・中堅」の定位置を不動のものにしている。8月4日現在で57試合に出場し打率.287、11本塁打、30打点、15盗塁。昨季の51試合、打率.111、1本塁打、2打点、7盗塁からすべての面で数字を伸ばした。

 開幕当時とも別人のような輝きだ。今季は初の開幕一軍を果たしたものの、4試合で4打数無安打、守備のミスもあり4月5日に二軍降格。二軍でも打率1割台と低迷していたが、オコエの故障で5月23日に再昇格した。「僕自身、自信を持って上がってこられたわけではないんで、逆に開き直ってできたかな」と冷静に振り返った。

 きっかけは思い切った打撃改造だった。エンゼルスの大谷翔平が取り入れて話題になったノーステップ打法。「軽いノリで、池山さん(二軍監督)が『やってみい、大谷打法や!』みたいな。取りあえず1回やってみようかなぐらいの感覚で始めました」。苦手だったタイミングの取り方が改善され、本来持っていた強いスイングが生きるようになった。

 7月21日の西武戦(メットライフ)では、8回に逆転満塁弾。プロを目指し、個性として求めた「長打力のあるスイッチヒッター」を体現している。「変に自分を追い込まずに、いいことを1日1個やろうという気持ちでやってます」と笑う23歳。周囲の予想を超えるスピードで、成長を続けていく。

写真=BBM
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