週刊ベースボールONLINE

オーロラビジョン

DeNA・細川成也 低迷する打線のカンフル剤に/2年目の明暗

 

来るべき一軍でのチャンスを目指してファームで振り込みを続ける


 落ち込んだ様子はなかった。現実を受け止め、細川成也は真っすぐに前を向いた。「いい感覚は持っています。自分の特徴や持ち味だけは忘れずに、しっかりと取り組んでいきたい」。

 二軍施設のある横須賀・ベイスターズ球場。7月から実戦を離れ、約1カ月の「振り込み期間」が課せられている。イースタン・リーグでは53試合で打率.211、4本塁打、18打点。218打席で84三振を数えているように、確実性の低さは大きな課題だ。万永貴司二軍監督は「どうしても今の一軍に彼が必要かと言われれば、そういうわけでもない。彼にとって、この時間が良かったと思えるようになれば」と説明。並の選手でないことは誰もが知るだけに、細川自身もムダにするつもりはない。

 デビューは鮮烈だった。昨年10月3日の中日戦(横浜)。初回2死一、三塁で、バックスクリーン直撃の3ランを突き刺した。しかもプロ初スイング。翌4日も決勝の2号ソロを放った。高卒新人による初打席初本塁打は球団史上初、プロ初出場からの2試合連続アーチも両リーグ通じて初めて。CS、日本シリーズでも安打を記録した。

 昨年のイースタンでも435打席で182三振だったが、ラミレス監督が「アレックス・カブレラのようだ」と最大の長所であるパワーを絶賛。今年2月のキャンプまでは一軍メンバーに組み込まれていた。DeNAにとって右の和製大砲は希少な存在。試練を乗り越えた先にはまた、しびれるような舞台が待っている。

写真=小山真司
オーロラビジョン

オーロラビジョン

週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング