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DeNA・田中健二朗 元チームメートの活躍を力に変えて/甲子園のヒーローは今

 

夏場に入り、本来の投球が戻り始めた田中健二朗


 厳しい状況に立たされるチームで、左腕の存在感が再認識されてきている。田中健二朗が7月26日、中日戦(ナゴヤドーム)の6回から3番手で登板。1回2/3で3つの空振り三振を奪う小気味良い投球で1点リードを守り、先発が5回持たずに降板していたこともあり、今シーズン初白星をマークした。「先発に付くのが一番だけれど、一つ良い結果が付きましたね」とうなずいた。

 DeNAが左腕王国であるのは、先発陣に限った話ではない。中継ぎの顔ぶれを見ても砂田毅樹、エスコバーが開幕から獅子奮迅の働きでブルペンを支え、7月には米マイナーを自由契約となっていた元ロッテ中後悠平を獲得。各球団が頭を悩ませている「中継ぎ左腕」の人材を豊富に抱え、昨季まで2年連続で60試合以上に登板している田中健二朗でさえ二軍生活が長く続いていた。それでも腐らずにイースタン・リーグで17試合、17回でわずか1失点と盤石の成績を残し続け、再び一軍の座を奪い返している。

 静岡・常葉菊川高のエースとして2007年センバツでの優勝投手というイメージが強いが、同年夏の選手権大会でもベスト4入り。準決勝で野村祐輔広島)、小林誠司巨人)らを擁する広陵高に1点差で敗れている。今夏、2年ぶりに夏の甲子園出場を決めた母校は、当時バッテリーを組んだ同学年の石岡諒哉氏がコーチを務めている。「結果は気にしていた。もちろん、良い力をもらっている」と自身も負けない活躍を誓った。
写真=内田孝治
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