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ソフトバンク・牧原大成 同期への嫉妬心も原動力に/わがチームの絶好調男

 

ラッキーボーイから真のレギュラーを目指す牧原


 開幕時、熾烈なポジション争いを繰り広げた本多雄一でも川島慶三でも、高田知季でも西田哲朗でもない。試合前のスタメン発表。セカンドでコールされるのは、プロ8年目の牧原大成だ。今季、7月8日に初昇格を果たすと、同日のオリックス戦(京セラドーム)に「八番・二塁」でスタメン出場。第1打席にさっそく右前打、第3打席には牧原らしい内野安打を放ちマルチ安打と起用に応えた。以降、8月16日現在(以下同)、27試合でスタメン起用されている。

 その間、マルチ安打8回、猛打賞3回。打率は.318(107打数34安打)だ。8月10日の日本ハム戦(ヤフオクドーム)からは一番に座り、初回から積極果敢な攻撃を仕掛けるなど、厳しい戦いが繰り広げるチームにおける打線のアクセントになっている。

 7月24日のロッテ戦(京セラドーム)でのプロ初本塁打から3本塁打を放ち、173センチの小柄な体形ながら鋭く力強いスイングを見せているが、牧原本人が注目してほしいのが別の部分だという。

「自分の足を見てもらいたい」。その言葉どおり、34安打のうち7本の内野安打をマークし、出塁すれば次の塁を陥れようと少しの隙も見逃さない。それに加えて「相手が嫌がることを」と考えながら日々、必死にプレーしている。

 2011年育成5位で入団し、翌12年途中に支配下登録された。14年にはウエスタンで首位打者を獲得するなど着実にレベルアップしていったが、なかなか一軍に定着できない。牧原が苦しむ中、育成同期入団だった千賀滉大(4位)、甲斐拓也(6位)が一軍で結果を残し、居場所をつかんだ。そんな2人に対し、嫉妬することもあったという。しかし、今は一緒にグラウンドに立てるうれしさとともに、お互いに良い刺激を与え合っている。彼らの存在は牧原にとって大きい。

 昇格当初は活躍ぶりからラッキーボーイと呼ばれていた牧原。しかし、1カ月を経ても好調をキープし続けているのは「1日1日結果を出す」ために集中して取り組んでいるから。レギュラーをつかむため――。クセ者・牧原のプレーがチームに勢いをもたらす。

写真=湯浅芳昭
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