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中日・ビシエド 初の打撃タイトル獲得へ/ラストスパートに懸ける

 

「ミスターメイ」を自称するほど5月に強いが、今年は8月も大爆発だ


 来日3年目を迎えた竜の主砲が進化を遂げている。中日の四番に君臨するビシエドが、タイトル争いに絡みつつある。豪快な本塁打、ではなく首位打者、そして最多安打の栄冠へと。

 シーズンも残り約30試合を切り、8月27日時点で打率、安打数ともにセ・リーグトップだ。打率.346、142安打。「数字は気にしていない。しっかりと自分の仕事をするだけ」。特に今季は外国人選手が苦手とする外角低めの球を今季は苦にしない。来日1年目の外角低めは打率2割3分程度だったが、今季は8月中旬までで5割を超える。際どいコースを見極め、ファウルにできる場面も増えてきた。

 日本野球への順応は努力によるところも大きい。中日に来て初めて守った一塁。「毎日、一塁を練習してきたことで体が動くようになったよ」。昨季まではフライを取り損ねる場面もあったが、今季はほぼない。さらに、疲れのたまる夏場は屋外球場での試合前練習を早めに切り上げるなど体調管理に工夫を凝らしている。

 残り少ないシーズン。怖いのはケガだけだ。持ち前のパワーでスタンドに放り込めるだけに、内角攻めで死球のリスクもある。昨季は8月中旬に死球で右腕尺骨を骨折し、最後までチームに戻ってくることはなかった。「わざとじゃなければ怒る必要はない。できることは一塁に行くことだけだから」とビシエド。チームに貢献したい一心で打席に立つ。過去2年でなし得なかった打率3割の壁を越え、打撃タイトル獲得へと突き進む。

写真=BBM
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