パンチ力ある打撃でアピールを続ける渡邉
プロ5年目を迎えた
渡邉諒の野球人生が今、一変しようとしている。チームの中で流動的だった二塁のレギュラーポジションをつかむ勢いで躍動。「必死にやるだけです」。2014年ドラフト1位で入団した大型内野手として高く評価された能力が弾け始めた。
転機は7月20日の
ソフトバンク戦(札幌ドーム)だ。相手の先発は
バンデンハーク。150キロを超える直球を2打席連続でスタンドへ運ぶ完ぺきな本塁打にした。以降は出番が増えたと同時に変化球攻めに苦しんだ。打率も8月10日時点ではちょうど1割。それでも価値ある放物線で存在をアピールし、また壁を乗り越えた。
8月15日の
ロッテ戦(札幌ドーム)。1点リードの7回に3号ソロ。接戦にケリをつける一発でチームの勝利を手繰り寄せた。前日の14日に
栗山英樹監督から「もっと思いきりいけ。使っているこっちに責任があるから」と声をかけられていた。思い切って振ったバットは大きな結果と自信、上昇気流も生み出した。
以降は12試合連続でスタメン出場。39打数15安打、打率.385と結果を残して栗山監督は「今はナベを見るのが本当に楽しみ」と成長過程をうれしそうに見つめる。
1割だった打率は2割台へ。プロ入り後は苦しんできた内野守備も無難にこなしている。逆転優勝を狙うチームの中で躍動することは来シーズン以降の二塁のレギュラー候補としても最高の経験値を日々積んでいる。ここからどんな進化の曲線を描くのか楽しみだ。
写真=BBM