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西武・平井克典 10年ぶりの優勝へ欠かせない中継ぎ右腕/飛躍のシーズン

 

中継ぎとして奮闘している平井


 2年目右腕が苦悩を乗り越え、いよいよ本格的に中継ぎの軸へと成長を遂げつつある。

 昨年、新人にして信頼を得て、今季は開幕から勝ちパターンの一人として7、8回の大役を任された平井克典。オフに取り組んだ直球の精度向上の成果が球自体にはっきりと現れ、自信もあったという。だが、5月は12試合11回2/3を投げて7失点、6月の前半も3試合、1回2/3回を5失点と打ち込まれ、6月11日に二軍再調整。結果として、この期間が後半戦の安定感への大きなきっかけとなる。

 追い詰められた精神状態の中、ファームでは冷静さを取り戻すことに努めた。その上で「去年は直球が良くなかったのになぜ抑えられていたんだろう?」と突き詰めていくと、はっきりとした答えが見えた。

「コース、高さ、球種、すべてをまんべんなく、駆使して使っていた」

 だが、今季は直球の良さを実感していた分、「真っすぐで押せると勘違いが生じて、力任せに投げていた」。過信から繊細さを欠いたことがすべての元凶だった。

 心と考え方を入れ替え、6月22日に一軍再昇格してからは7月の防御率1.23、8月は1.46と抜群の安定感を誇った。

「今年いろいろしんどいことを経験し、もがき苦しんだことは絶対にプラス。今は良かったと思えます。ここからがチームも僕も、一番の踏ん張りどころ。勝敗に直結する重要な場面を任されている上、責任を持って投げたい」

 優勝を手にするその日まで、背番号25の力投が続く。

写真=BBM
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