ドラゴンズ担当からは、ガルシアの通信簿に「オール5」をつけたい
この左腕がいなかったら……。竜の投手陣にとっては、松坂以上の救世主に違いない。推定年俸は5000万円。ドミニカ共和国のウインター・リーグを視察した
森繁和監督らが昨秋に獲得したオネルキ・ガルシアは、チーム勝ち頭の13勝を挙げ、エース級の働きを見せている。
「正直、自分でもここまでやれるとは思っていなかったんだ。シーズンで2ケタ勝利というのも、人生で初めてのことだしね。監督、コーチ、チームメート、スタッフ、すべての人に感謝している」
当初の評価はメジャー通算61勝の
ディロン・ジーに次ぐ「保険」に近い扱いだった。先発、救援ともに経験があり、つぶしも効く。ただ、本命の大物右腕が故障と手術でアメリカに帰国する一方、ガルシアは次々と下馬評を覆していった。
金髪モヒカン。外見からはラテン系の
ヤンチャな香りがプンプンと漂う。しかし、内面は至ってマジメだ。投内連係のサインを覚えられなければ、春季キャンプ中も居残りでくり返し練習。セットポジションで動きを止めることができない外国人特有の悪癖も、忍耐で克服した。日本に来てから森監督の指導で習得したチェンジアップが効果的に決まり、フォーム修正を命じられても前向きに取り組んだ。
「できることなら取りたい」と話していた最多勝利のタイトル。残り10試合、トップの
広島・
大瀬良大地は15勝を挙げており、タイトル獲得は厳しくなってきた。それでも、チームのために献身的に投げ続ける。クライマックスシリーズ出場のためには絶対に負けられなかった9月17日の
巨人戦(東京ドーム)でも、7回1失点の好投で勝利を手繰り寄せた。
向上心でもチーム随一の助っ人。竜投手陣にとって、必要不可欠の存在だ。
写真=BBM