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楽天・今江年晶 35歳になっても衰えぬ探究心と意欲/復活の1年

 

今季は四番を任されるなど、移籍後3年目は充実


 実力の一端は見せた。FA移籍3年目となった今江年晶は、9月30日まで四番でのスタメン54試合を含め122試合に出場し、打率.270、10本塁打、47打点。100試合出場は2014年以来4年ぶりで、故障にも苦しんだ昨季(51試合)の倍以上と、移籍後最高のシーズンを送っている。

 厳しいヤジもしっかりと受け止めた。3月、草薙でのオープン戦だった。ヒーローインタビューに呼ばれると、スタンドからヤジが飛んだ。「客席から『シーズンも働け』と言われているんで、しっかりシーズンで結果を出して、そう言われないようにしたい」と観客を笑わせたが、「同じ成績なら若手が使われる。ライバルが持ってないものを出していきたい」と危機感を募らせていた。

 キャリアを重ねても、衰えない探求心が根幹にある。「試行錯誤」を続け、1打席ごとにアプローチを変えることもある。もともと、上からたたくイメージだったスイング軌道を、逆に重心を残して下から打つ軌道に思い切って変更。ある打席では突然ノーステップでタイミングを取るなど、その場の最適解を探し続けている。

 プロ17年目。積み上げてきた安打数は9月30日時点で1655本だ。「2000本打ちたいです。全部が中途半端なバッターなんで、自分の名を刻めるとしたらそれかな、と。なかなかどころか、かなり難しい。でも、打ちたいですね」と笑う35歳。期待される勝負強い打撃で、2000本も通過点にする活躍を見せていく。

写真=BBM
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